音のない世界に生まれた猫　闇の原因

先天性　深い闇の原因

猫好きの方には　少し嫌な話になるかもしれません。

モモタスの耳が聞こえないのはお話しましたが　先天性のものということなんです。

事故とか　怪我とか　病気とか　そういった原因はありません。

でもそれよりも　もっと深い闇があったのです。

モモタスの産まれた環境は　ものすごい劣悪なものでした。

とあるアパートの３つの部屋での多頭飼育崩壊が起こっていました。

それは臭も環境も　とても酷いものだったと聞きました。

窓枠や換気扇には　外部への悪臭を防ぐためのコーキングが打ってあり　床も汚物だらけ。
そんな部屋が３つあったといいます。

夏とかどうなってたんだろう。冬もよほど寒かったことでしょう。

初めは数匹の猫しかいなかったようですが　どんどん　どんどん　増えていって管理できなくなり　最終的には子猫から成猫まで　15０匹以上の猫が缶詰状態にされていたそうです。

そんな中でモモタスは産まれ　その小さな体でじっと助けを待っていたのです。

目の前で死んでいく仲間や　兄弟の苦しむ姿を　この子達はどれだけ見てきたのでしょうか。
地獄としか思えません。

これだけの猫がいて　全頭数が避妊不妊治療を受けていないとなれば近親交配は避けられません。

近親交配は　障害のある子が生まれる確率をぐっと上げてしまいます。
おそらくモモタスも　その大きな代償を背負った子の一人だったようです。

かわいそう以外の言葉が出ません。このような障害を持った子が他にもたくさんいたのだと思います。

下の写真のようにみんなが寄り添っていたそうです。窓に付いた雫を舐めていたという話も聞きました。よく見るとモモタスそっくりの子もいます。

モモタスは耳が聞こえませんが　我が家で家猫として屋外に出すことは一切ありませんし　家族から100万パーセントの愛情を注がれて育てられています。

不安なのは目に見えない障害がないかどうかです。
小さい頃はおしりの締りが悪く常にウンチがお尻から垂れ流れていたり　日に二三度吐くなどの症状がありますが　普段は至って健康なので　日々注意深く見守っています。

わが家がすべての不幸な猫を受け入れることはできませんが　この子だけでも幸せにせねばと思います。